みなさんはじめまして!クマノミ嫁です。
今回の記事は、駐妻として主人の海外赴任に帯同し、現地就職するまでのプロセスを共有します。
こんな方におすすめ!
- 海外赴任中の帯同中に自身も仕事を続けたい
- 海外赴任に帯同する配偶者が働くための確認事項を知りたい
- アメリカでの現地就職のプロセスを知りたい
共働きが当たり前になった今、海外赴任中に帯同する間、ご自身のキャリアの継続について悩まれている方の参考になればと思い、投稿します。
配偶者の海外赴任が決まった!自分のキャリアはどうする?
様々な状況の方がいらっしゃると思いますが、帯同すると決めた場合、自分の仕事をどうするかは主に以下のパターンが考えられるかと思います。
2. 休業(育児休業の延長、配偶者帯同休業など)
3. 日本の仕事を続ける(フリーランス、アメリカからリモート、現地法人に転職など)
4. 海外赴任先で現地就職、もしくはリモートでできる日本の仕事に就く
~クマノミ嫁の実録~
2020年1月、クマノミ夫の海外赴任の話が会社からありました。
当時、クマノミ嫁は育休中で、保育園も内定して4月に復職予定でした。
しかし、海外赴任の話が出て、彼のキャリアや子どもの教育のことを考えたらそのチャンスを逃す手はないと二つ返事で「行くべきだよ‼️」と背中を押しました。
当初は赴任期間の目安を2年と言われていたので、自身の育休もあと2年延長できるし、ちょうどいいと判断しました。
私の会社には配偶者の海外赴任のために利用できる休業制度はなかったので、今の仕事をキープするためには育休を延長するしか帯同する道はありませんでした。
しかしクマノミ夫の会社の規定では、帯同する配偶者とは原則扶養に入っている方が対象であったため、退職しなければビザの発行などのサポートを得られない可能性があり、急に不安に…😢
家にいるよりも仕事をしていた方が生き生きとするとわかっていたクマノミ嫁…。
2年間海外赴任に帯同して本帰国してから復職といってもキャリアにブランクが空くことに焦りを感じました💦
ブランクどころか、結局長期赴任になって会社も辞めざるを得ず、主婦生活が長くなった場合、本帰国した後にこの変化の激しい業界で誰が雇ってくれるんだろう…もしかしてもうこれから一生主婦なの?これまでの人生で頑張ってきたことは無駄になってしまうの?と軽くアイデンティティ崩壊に陥りました😢
クマノミ夫がクマノミ嫁の今後の人生や本帰国後の収入への影響のことも考えて、行かないという選択肢もあるよ?と言ってくれましたが、やはりクマノミ夫のキャリアや子どもの教育にとって、このまたとないチャンスを逃すべきではないと思い、今は自分の仕事のことよりも家族全体の幸せを考えることにしました。
扶養でなければ「配偶者」として取り扱われないかもしれないという夫の会社規定については、育休中で無給だし、生計者は主人のみなので補助対象としてくださいと交渉して配偶者としてみなしていただくことになりました。
この前時代的な会社規定で唯一救われた点は、配偶者の就労に関して制限がないことです。その代わり、就労後は独立したとみなされ、ビザ・教育費・医療費・語学学習費などの補助は全て打ち切られます…(ただ、転勤に伴う引っ越し費用などは会社都合ということで負担してくれました)。
同業界のクマノミ嫁の会社の規定では駐在者の配偶者の就労は認められず、会社によって違うので、要確認です。
したがって、可能性は小さいかもしれないですが、クマノミ夫の海外赴任中の就労に希望を持つことにしました。
2020年3月、赴任は正式決定したものの、コロナの流行が始まりアメリカ大使館が閉鎖され、事実上一般人のビザ発給が停止。(ビザの種類によっては、トランプ大統領によっても発行が止められていました)
5月渡米の予定が突如不透明になりました。
いつ大使館が開くかもわからないので、一度復職する道はありませんでした。
(一度復職すると帯同時には退職する必要がありました💔)
こうなってくると、2年が目安との赴任期間も予定通り帰任できるかどうか不透明になってきたと感じ、現地就職のためにアメリカの就職活動において一般的に利用されているSNS、LinkedInに登録しておきました。
コロナで足止めされている間に自身の今後のキャリアについて、以下の選択肢を洗い出し、上から順番に上司や人事部に確認しました。
1. 引き続き同じ会社で働く
1-1. アメリカ法人への転籍
→転籍に必要な要件を満たしておらず、認められず。
1-2. アメリカ法人で募集されている社内公募
→日本からの応募は対象外。
1-3. 現所属のままアメリカからリモートワーク
→社内規定において出社できる距離に居住する必要があり認められず。
1-4. 留学休業
→適用できる制度がない。
1-5. 兼業
→かろうじて制度はあったものの、育休中の兼業は不可。
1-6. 帯同しない、もしくは子どもを連れて先に帰国して復職
→家族が離れ離れに。誰も幸せじゃない。
2. 現地就職
2-1. 現会社のアメリカ法人の一般採用に応募
→同じ職種がアメリカ法人にも存在し、これまで交流もあったため、人脈を活かせる可能性がある。
ただし、アメリカ法人は主人の会社とは異なる州のため通勤不可であり完全リモートワーク必須。
2-2. その他の同業日系企業に応募
2-3. その他の同業外資系企業に応募
→人脈がないので望み薄かもしれない。日系の方が日本人である点が有利に働くかもしれない?
3. 学ぶ時間に充てる
3-1. MBA
→最低3年必要。学校によっては必要な英語の試験の準備などでプラス数年要する。
3-2. PhD
→アメリカの大学で取得する方が難しく、費用も高い。日本の大学でリモートで取得できる講座が
あるかもしれない。MBA同様、準備のための時間が必要になる可能性もある。
3-3. 日本の国家資格をアメリカで利用する
→私の持っている資格はアメリカでは適用できず、別途試験や実習などの必要があり、費用と時間が
かかりすぎる。
上記の検討の結果、2の現地就職が一番現実的に可能性が高いと考えました。
ビザホルダーの配偶者におけるアメリカでの就労許可について色々調べた結果、主人のビザは配偶者がEAD(Employment Authorization Document、就労許可証)取得することで就労が可能であったため、渡米でき次第申請することにしました。
2020年11月、やっと大使館の閉館が解除となり、渡米が実現しました。
コロナの影響で渡米が半年遅れ、育休期限までに本帰国する可能性は低くなったため、いよいよ現地就職を目指して必要なアクションを始めます。
アメリカで海外赴任者の配偶者が働くために必要なことは?
最低でも以下の2点の確認が必要です。
・アメリカ入国後、I-94のビザステータス欄に「〇〇S」と末尾に配偶者を示す「S」が記載されていること。
~クマノミ嫁の実録~
2020年12月、コロナの影響でアポイントの取得がなかなか取れなかったのですが、ソーシャルセキュリティナンバー(SSN、日本でいうマイナンバー)申請。(当時SSNオフィス訪問にアポイントが必要でした。)
2021年2月、やっとSSN取得。(通常は2週間ほどで取れるものです…。)SSNをゲットできたので、やっと就労許可(EAD)申請。
2022年1月より、Eビザ、Lビザ、H-4ビザの配偶者ビザなら「〇〇S」と「S」の入ったI-94さえあればEADの申請なしに就労が可能になり、EADの取得は不要になりました!
EADの取得・更新には$400強の手数料が必要だったし、時間もかかって取得や維持が大変だったので、今から就職しようとしている方が羨ましい😁
(I-94はアメリカ入国時に発行・更新される書類です。)
参照:USCISの公式ページ
2021年9月、コロナの影響でやっとEADが送られてきました…。(通常なら3ヶ月で取得できるところ、7か月かかりました…。)
この頃、棚ぼたのように日本の所属会社で早期退職制度の募集の話が出て、私も対象者に含まれていました。この制度に応募して割増退職金を得て転職できるんじゃないかとウハウハしていました😂
2021年9月、LinkedInでアメリカ法人の募集案件で自分のキャリアと合致するポジションを見つけました。
さらにそのポジションは以前一緒に働いたことのある方が募集をかけていると知り、応募前に直接連絡を取り始めました。
アメリカでの現地採用はどう進むの?
以下はリクルーターを使わない場合について記載します。(リクルーターを使う場合は、1-2あたりが通常と異なるかもしれません。)
2. 面接に進める場合は、人事部の担当者から連絡がある。
3. 本番の面接前に必要に応じて、人事担当者やそのポジションの募集をかけている部署の採用責任者とJob Descriptionの要件やビザなどの就労要件を満たしているか、オンライン会議で確認される。
4. 正式に面接に進める場合は、人事担当者からAgendaが送られてくる。大抵30-45分の1 対1の面接(オンラインもしくは対面)を、採用される部署の3-4人、人事部1人と1-2日かけて行う。
5. 1週間~数か月以内に連絡が来る。(来ない場合もあるかもしれません。)
~クマノミ嫁の実録~
2021年10月、日本の会社の早期退職制度に応募し、並行して募集をかけている方に直接連絡を取りながらアメリカ法人の一般採用に応募しました。
Cover Letter 、レジュメ提出にあたっては、有料サイト($25/月程度)で作成しました。
その際は、応募先のイメージカラーのテンプレートを選びました。
英文で書く内容は、アメリカ法人で働く帰国子女の同僚に添削を依頼しました。
(クマノミ嫁が使用したResume作成サイト:Zety)
2021年11月、選考過程で、日本法人の早期退職に応募した場合は、アメリカ法人も含めたグループ会社への再就職はできないと日本の人事部から言われました…。
早期退職に応募して割増退職金を手にするか、早期退職を諦めて不確実なアメリカ法人への現地採用に賭けるか…。
食事が喉を通らないくらい悩み、いろいろな先輩方に相談し、最終的には主人に、お金のことはいいから好きなだけチャレンジしたらいいと最終的には背中を押され、一般採用に賭けることにしました😣
書類選考は通過、面接を受けられることに。面接までの2-3週間の間、以下の対策を行いました。
クマノミ嫁が行った面接対策
- 帰国子女の同僚に、よくある質問リストを基に作成した自分の回答案を添削してもらう。(ネットで「Job interview FAQ」などと検索すればたくさんサイトが出てきます!)
- 面接の最後に必ず訊かれるこちらからの質問を何にするか、これもよくある質問をネットで検索して参考にしながら、自分なりの質問をいくつも用意しておく。
- オンライン英会話で教材を使わず面接練習にひたすら当てる。
- YouTubeで海外で現地就職をした日本人の方やアメリカ人の面接対策の動画を見漁る。
- (私の場合はオンライン面接だったので、)面接中にPCの横に携帯を置いてOtterという文字起こしソフトを活用し、質問者の英語の発言を正確に理解する。
- 上記で完成した自分用の想定問答集を印刷して、PCの上の壁に貼っておき、何かあったら参照できるようにする。(ほぼお守りのようなものですが。)
日本の感覚で5人くらいと1回の面接だと思ってたら、蓋開けたら1人ずつとの45分の面接を5回、2日間に渡ってでした💦(この形式がアメリカでは一般的なようです。)
それも前日など、直前に言われるので、まだデイケアに行かせていなかった子どもを急遽シッターに預ける羽目になりました💦
面接での質問例
- Job Descriptionに記載されているスキル要件に関する過去の経験の有無の確認
- 仕事で辛いことがあった場合、どのように乗り越えるか
- 今までで経験した難しい局面とそれをどう乗り越えたか
- 応募先の部署のビジネスモデル、やり方に対してどう思うか
- 配偶者が本帰国になった場合、どうするのかとその選択肢の実現可能性
実務担当者4人と面接しましたが、どの回も質問が重複することはなく、担当者間で用意された質問を割り振っているように感じました。
クマノミ嫁がラッキーだったのは、その実務担当者4人中3人は過去数年以内に一緒に働いたことのある方々だったこと。
既に顔見知りで、かつ社内用語、具体的なプロジェクト名も出せたので、かなり落ち着いて話すことができました。
日本で働いていた時の人脈を最大限に活かすために、第一志望として同じ会社のアメリカ法人を受けた甲斐がありました!
ただ、採用の募集をかけていた方に面接の最後に言われたのは、「あなたはまだいつかはわからないけど、いつかは日本に帰る身。私達はPermanentにアメリカで働ける人を探しています。」というコメント。
駐妻という立場は変えられない事実なので、それを言われたら駐妻である以上、会社に関わらずPermanentで募集しているポジションには受からないな…と思いました😇
面接の受け答えについては事前に納得のいくまで練習できていたので、やりきった感がありましたが、この最後の一言についてはどうすることもできず、会社の判断を祈るように待つしかありませんでした。
面接結果は来週連絡しますと言われたものの、全く連絡がありませんでした💔
さすがにクリスマス休暇前には来るだろうと思っていましたが、それでも来ませんでした…💔
これはサイレント不合格?と思って諦めていたところ、2022年1月、ついにメールが📩
「Offer Letterを出したいから少し履歴書を修正してほしい」とのこと。
これは内々定ってこと?🤔と首を傾げ、本当に受かったのかあまり実感がなく…。
翌日からより具体的な話になってきて、これは受かったんだと実感が湧いた瞬間、今までの不安が払拭されて努力が報われた気がして、急に涙が止まらなくなりました😢
第一志望に落ちた場合は、人脈を辿って日系の同業他社を受けようと思っていました!
日本にいた時の人脈を活かした作戦がうまくいってよかったです😊
内定してから就職するまで
いよいよ内定!以下は私が経験したフローです。
2. Offer Letterを受諾するかどうかを24時間以内に返信。
3. Offer Letter承諾後、第三者によるBackground Check開始(約3週間)
4. 無事にPassした場合、内定確定!勤務開始!
~クマノミ嫁の実録~
クマノミ嫁の場合、内々定の時点でまだ日本の会社に所属したまま育休中だったため、退職を証明できる記録を提出してくださいと言われ、退職手続きを遠隔で対応することになりました。
アメリカに朱肉を持ってきてなくて押印に苦労し、さらには原本の送付が面倒でした…。(日本にTracking付で書類送るのに$40×2回…)
2022年1月末、人事とのミーティングで直属の上司の名前、有給休暇日数を含めた福利厚生、暫定的な勤務開始日などの説明を受けた後、ようやくOffer Letterを受領しました。確か24時間以内に同意した旨を返信する必要がありました。
そこからBackground CheckというApply時に申告した内容に虚偽がないかの委託会社による確認が始まります。
ここで虚偽や何か問題が見つかった場合は、Offer Letterは取り消されることに同意させられます。
Background Checkの調査内容
- 過去7年間の勤務歴
- 過去7年間の居住地
- 学歴(卒業証明書、成績証明書の提出。PDFのメール送信でOK。日本語でも一応提出可能。)
- SSN (犯罪歴の確認)
- 薬物検査(‼️)
- SNS上の情報
なかなか返事が来ず、これにパスしないと採用が確定しないので大分そわそわ💦
私のような外国人の場合は、卒業大学に連絡して裏を取るのに時間がかかるため、通常3週間くらいはかかるようです。
一番びっくりしたのは薬物検査で、指定された検査機関に決められた期限内に行ったのですが、下の子どもを連れて行ったら「薬物検査は1人で来なければならない」と言われ😓 考えてみればそりゃそうか…。
日を改めて子どもを預けて一人で訪問すると、尿が足りなかったらやり直しになるからと脅され、大量に水を飲まさせられました😇
採尿後は検査官が良いと言うまでトイレを流してもいけないし、手を洗ってもいけないとのこと。
検査の性質上、厳格なルールがあるようです😕
薬物検査や犯罪歴調査などがある点がアメリカらしいですね!
大学の成績証明書を取り寄せるのに郵便で申請しなければならなかったりして日本にいる両親にお願いする羽目になり、時間がかかってしまいました…。
SNS(LinkedInやFacebookなど)に正確な情報を載せているかも不安になったので、こうなる前にちゃんと確認しておけばよかったと思います。
大学の成績証明書などは事前に用意しておけばよかった…😥
LinkedInへの登録情報も最初から正確に入力しておけばよかった…💦
2022年2月中旬、やっとBackground Checkが無事完了して採用が確定✨
日本の上司は、職場に復帰しないにも関わらず、私の挑戦を後押ししてくれ、とっても褒めてくれてうれしかったです。
ということで晴れて運良く第一志望の、日本の会社のアメリカ法人の現地採用で、働き始めることができました😌
最初は、現地採用だからすぐクビになるんじゃないかとビクビクしていましたが、現在1年半ほど働き続けられており、落ち着いてきました。
コロナに翻弄された長い長い道のりでしたが、夢を叶えることができました。
誰も配偶者の海外赴任への帯同まで見越した人生設計なんてしてませんよね😇
今はL、E、H-4の配偶者ビザならEADなしに就労が可能なので、もし働きたければ諦めないでほしいです🥺(真矢ミキみたい😂)
不安で迷っているどなたかの背中を押せますように!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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