さて、アメリカに行く時に一番大変だったのが、持ち家をどうするのかという問題です。
賃貸だとこういうとき悩まなくていいのですが、多くの方が悩むことになると思います。
個々の状況に応じて変わると思いますが、我が家の結論として自宅は「売るべき」と判断しました。
海外赴任決定時の我が家の状況は以下の通りです。
- 2017年に都内に新築マンションを購入(築4年)
- 2020年に海外赴任辞令を受ける
- 赴任期間未定
赴任辞令を受けた時の持ち家の取扱い
自宅を購入したのに海外赴任になってしまった・・・。
そんな場合には、一般的に次の3つの選択肢があります。メリット、デメリットも合わせて以下表にしました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
持ち家を維持する | ○利便性 – 一時帰国時や出張時に住み慣れた家に帰ることができる – 帰任時に生活の立ち上げが楽 – 住所変更の必要がない | ○金銭面 – 住宅ローンの負担(+ローン減税が赴任中は不適用) – 固定資産税、管理修繕費など自宅維持に伴う出費 – 自宅のメンテナンス費用 – 経年劣化や、メンテナンス不足による不動産価値の下落 ○利便性 – 売る/賃貸に変更する場合に、直接交渉できない |
持ち家を賃貸に出す | ○金銭面 – 定期収入が得られる | ○金銭面 – 収入に対して赴任先の国の制度に則って税金がかかる – 住宅ローンを契約する銀行によって持ち家の賃貸が認められない可能性がある – 入居者が入らない期間が発生した場合や賃貸価格の相場を誤った場合、想定通りの収入が入らない可能性がある ○利便性 – 赴任先の国で確定申告が必要な場合がある – 一時帰国時や出張時の滞在先を失う – 帰任時に自宅に住めない可能性がある – 賃借人による自宅の損傷及び修理に関するトラブル |
持ち家の売却 | ○金銭面 – 売却価格によっては利益になる – 資産価値下落のリスク回避 – 不動産関連の支出がなくなる | ○金銭面 – 売却利益に対して赴任先の国の制度に則って税金がかかる ○利便性 – 赴任先の国で確定申告が必要な場合がある – 一時帰国時や出張時の滞在先を失う – 帰任時の生活の立ち上げが大変 |
持ち家は売却すべきと考える3つの理由
理由1.資産価値の下落と売却の難しさ
日本の不動産は一般的には購入後には価値が下がっていくため、資産価値が下がるリスクを自分で抱え続ています。
住宅を購入した方は、そのリスクと売却時の価値を天秤にかけた結果、あるいは価値が下がらないような場所や物件を見定め、自分でそのリスクを管理できると考えたからこそ購入を決断したのではないでしょうか。
もしこれが自分で住まない場合、他人に自分の家の価値を下げられてしまうリスクが加わることになります。
クマノミ夫婦の場合、持ち家の地価はこれからも上昇していくと考えていたのですが、赴任期間が定まっておらず、下がる前に手放すべきと考えました。
また、実際に売却後に感じたのですが、赴任後に状況が変わって海外から売却をせざるを得ない状況になった場合、遠隔で不動産との手続きをしなければならず、タイムゾーンによっては難しい調整が必要になります。
不動産仲介業者との重要な契約を代理人に依頼する負担と手間、家の紹介も自分でできないため仲介する不動産の方にお任せになるため、買い主は売り主の顔が見えず価格の設定や交渉に影響がでるかもしれません。
理由2.価値観の変化
海外に住むと、これまでと価値観が変わると思います。
日本の住宅価格は高いと思っていたが海外ではそれ以上に高く上昇し続けています。
日本人の新築への異常?なこだわり(海外では中古市場の価格が高く、中古市場の価格も維持されること)や、日本は経済に勢いがなく、不動産価格は下がりやすい国であることも実感します。
赴任を経験したことで、また別な国に赴任してみたいと考えが変わる方もいると思います。
クマノミ夫婦も、アメリカの広い家で車生活に慣れてしまった後に帰任したら、自宅を購入した時は納得していた満員電車通勤、マンションの広さにも満足いかなくなるような気がしています。
理由3.海外の資産形成のチャンス
私の会社の場合、赴任すると、日本の収入が劇的に少なくなります。収入の多くは生活の基盤である、赴任先の通貨で現地の銀行に振り込まれますし、育休中のクマノミ妻が仕事に復帰できなくなったことで、日本の収入はかなり少なくなりました。
ただ、住宅を売却することで、住宅ローン、固定資産税、管理・修繕費用、設備の修理費用、地震・火災保険がなくなり、日本円の収支はかなり安定させることができました。
残った日本円の支出は、日本のサービスである生命保険の支払い、携帯電話、クックパッドアプリなどのサブスク料金、クレカの会員費用などでした。(後日、携帯電話会社も楽天に変更、生命保険は全解約し、現在は日本円の収入のほとんどを貯蓄に回しています。)
この毎月発生する円貯金、更にローンを完済しいくらか手元に残った住宅売却費用は、定期的にドルに変換しSavings accountへ貯金、あるいは資産形成に回しています。
せっかくなのでこのチャンスを活かして現地通貨で資産形成にも取り組んで行こうと思っています。
まとめ
この記事では、クマノミ夫婦が海外赴任の辞令を受けて、どのような背景でどのように持ち家の売却を決断するに至ったかをご紹介しました。
もし同じような境遇の方がいらしたら、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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